銅はまだ「重要鉱物」じゃないけど

クズ野郎ども、待たせたなあ。あれ…違うな。クズ愛好家の皆さま、いかがお過ごしでしょうか。いや、これも違う。まあ、イントロなんぞ、どうでもよろしいですね。今回は、手前味噌べちょべちょの「昔のハナシ」はナシでいきたいと思います。

目次

お品書きは、下記の通りでございます。

重要鉱物銘柄は今や金よりも価値が高い

引用: Financial Review - "Critical minerals stocks are now worth more than gold"

▼オーストラリアのパース(西オーストラリア州の州都)では、同地の重要鉱物マイナーの皆様、バキバキに調子が良いとのこと。

パースは、過去10年間で86億ドルだったASX上場の主要な重要鉱物資源企業の価値を862億ドルにまで押し上げたブームの中心地です。ASXに上場している主要な重要鉱物銘柄33社の価値は、S&P/ASXオール・オーディナリー・ゴールド・インデックスを構成する25社(火曜日に861億ドルの価値があった)よりも高くなりました。リチウム、レアアース、グラファイト、ニッケルなどの鉱物は、政府が脱炭素化の取り組みや国家安全保障にとって「重要」と宣言したため、過去10年間に投資家の注目を集めるようになったのです。

▼往時のゴールドラッシュを彷彿とさせる、“ドリーミー”で浮ついた話が充満している模様。

オーストラリアン・フィナンシャル・レビュー紙が選んだ33の主要な重要鉱物銘柄のリストには、ピルバラミネラルズが100万ドルのマイクロキャップから140億ドルの巨大リチウム企業に成長し、8月に24億ドルの純利益を報告すると予想されるようなおとぎ話のストーリーが含まれています。

▼もちろん、ポジション・トーク的な側面が否めませんが、関係者曰く、「まだ全然イケるよ」とのこと。

トライベッカ・インベストメント・パートナーズのポートフォリオ・マネージャーであるトッド・ウォーレン氏は、重要鉱物セクターが生み出した富は並大抵のものではないにもかかわらず、中国での電気自動車販売が予想よりやや低調だったことから、今年に入って多くの銘柄が地上に戻ってきたと述べた。
「私の見解では、それは泡立つようなピークではありません、まったく」と彼は言った。「昨年、一部のリチウムのバリュエーションが少し伸びたが、その泡とバブルの多くは、中国のリチウム価格が横ばいになったときに出てきた。他の(重要鉱物の)商品に関しても、これはピークではないと主張したい。」

▼下記、今後のベースメタル市況並びに、「よく理解されていないし、回収自体が技術的に難しいメタル」の扱われ方を占う上で、非常に肝要な指摘であると考えています。

この33社のリストには、BHPやリオ・ティントのような大手総合鉱山会社は含まれておらず、ニッケル、ジルコン、スカンジウム、アルミニウムなど、米国の「重要」リストにある鉱物を集団で生産しています。エネルギー転換によって銅の需要が高まると予想されているが、オーストラリアやアメリカの政府によって銅は「重要」な金属としてリストアップされていないのである。
このような傾向から、投資家は、金や鉄鉱石といった馴染みのある伝統的な主力商品よりも、よく理解されておらず、技術的に困難な商品を検討するようになりました。

▼下記も、非常に興味深い指摘であります。金属成分を抽出するための技術は、まだ確立されておらず、鉱床におけるメタル分の分布、特性の研究などは、まだまだこれから。しかも、相場情報が中国頼みときた。卑近な例で申し上げると、黎明期の養殖ウナギのような状況でしょうか。どことなく、「怖い」印象を受けてしまいます。

「化学的な課題があるのは確かで、採掘会社はもちろん、市場もまだ頭を抱えていると思います。もうひとつの側面は、価格設定の不透明さです。石油の価格を知りたければ、テレビのニュースが教えてくれますし、金も同じです。リチウムの場合は、最近になって価格の見通しがつきましたが、それでも中国からのデータに頼ることになり、リアルタイムではありませんし、さまざまなグレードや化学組成があるので、複雑なのです。レアアースの場合は、中国からの価格に依存することになりますが、グラファイトの場合は、価格がどうなっているかはわかりません。」

中国の利下げで景気刺激策への期待が高まり、銅価格が上昇

引用: Mining.com - "Copper price rises as China’s rate cut raises stimulus hopes"

中国の中央銀行がパンデミック後の回復を支えるため、10ヶ月ぶりに短期貸出金利を引き下げたことで、銅価格は火曜日に上昇した。ニューヨークのコメックス市場では、7月配達の銅が2.93%上昇し、1ポンドあたり3.86ドル(1トンあたり8,492ドル)を記録しました。

▼記事の通りなので、全くもってコメントをはさむ余地などありませんが、今回の価格上昇は、実需の伸びではなく、オカミによる景気刺激策によってもたらされた賜物でありました。

銅は200日移動平均の8,384ドルの上で取引されているが、さらなる勢いのある買いを呼び込むには、3月と4月の安値である8,450ドルを上回る必要があるとハンセンは述べ、CPIとFRBの金利決定があるまでは、大きな動きは期待できないだろうと付け加えた。月曜日の時点で、中国の主要市場全体の銅在庫は98,400トンで、先週金曜日から11,000トン減少し、昨年同期から17,300トン減少した。

迫り来る銅不足は、これらの銘柄に利益をもたらす

引用: Mining.com - "Looming copper shortage will benefit these stocks: RBC analyst"

▼これまで、散々、銅に関する“珍ポジ・トーク”をご紹介してきたわけですが、そろそろ真面目に、「銅アゲアゲ論」を考えなくてはならない時期にきたのかもしれません。(某大手のスクラップ問屋の社長さまは、「今年、銅は下げる!」みたいなハナシを各所で熱弁なさっていたようです。)

銅市場には、迫り来る供給不足があります。エネルギー転換には大量の銅が必要だということは、もうお聞きになったことでしょう。私たちの予測では、年間1%の追加供給が必要です。これは大したことではありませんが、毎年大規模な銅鉱山が1つ稼働するのと同じことです。この潜在的な供給不足は、スクラップの増加や銅の代替・遠心分離によって部分的に埋められると思いますが、大部分は銅鉱業からの供給反応によるもので、銅価格が高い時期が必要になると思われます。
このため、2025年から2027年にかけての銅価格を4.50ドル/ポンドと予想していますが、供給が追いつかない場合は保守的になる可能性があります。利用可能な銅プロジェクトのリストを見ると、そこにはたくさんの銅があることがわかりますが、その多くは地面から出てこないかもしれません。

▼タイトルの上昇期待銘柄は、下記の通りです。

RBCドミニオン証券のアナリスト、サム・クリテンデンは、First Quantum Ltd.を挙げています。Ivanhoe Mines Ltd.、Hudbay Minerals Inc.、Lundin Mining Corp.を、このトレンドから恩恵を受ける鉱業者の一人として挙げています。

▼株価のトレンドに関しては、下記の通りです。

シティ米国株式ストラテジスト、スコット・クロナートは、2023年の残り期間について慎重な見方をしています。「我々は通年のS&P500の目標を4000に維持している。メガキャプ・グロース銘柄がAIに熱狂する時期を逃したことは認めますが、具体的な業績修正のサポートがないことから、下期は消化不良の局面が続くと思われます。景気後退のリスクは依然として高く、関連する逆風となる。当社は、2024年上半期の見通しに前向きであり、S&P500の年央目標を4400とすることを決定した。収益は引き続き底堅いが、より重要な回復はおそらく2024年下半期の状況である。」

だからどうした

まさに、副題の通りであるのですが、これまで述べてきた内容というのは、「2019年後半から噂されていた流れ(大綱)」の通りなんだと思います。陰謀論者界隈では、「今般のウィルス騒動は、もう少し早い時期に“実施”される予定であったが、とある事由により、延期せざるを得なかった」といったハナシが話題になっています。

また、“彼ら”曰く、「世界的な混乱は、もう一波あって、それが本震になる」とも嘯いています。もし、仮にそれが本来の“大綱”であるならば、「世界経済のハードランディング」の可能性を検討しなければならないはずです。また、左記の“延期”が、真実なのであるとすれば、「世界的な混乱は、もうなくて、違った時間軸で起こる」といったシナリオも、同様に検討しなければなりません。「どうなるかわからない」というよりも、二者択一のアルティメットな分岐点に差し掛かっているのかもしれません。

個人的には、次の“有事”に係る分水嶺は、やはり個人的に大好きな元素、パラジウムの復権にあるのではないかと考えています。国際市況に反映されるかたちではなく、もっと違った意味合いで、パラジウムの存在意義が、より高まるような気がしています。

やはり、世界の供給4割をロシアに握られているという事実は、絶対的に認識しなければならないし、ペトロダラー制度が段階的に廃止される中で、今後の“国際相場”自体の信用性・信憑性が問われる事態に陥る可能性も否めないわけです。

まあ、自分でもなにを言っているのか、まったくわかっていないですが。

BNN Bloomberg - "Russian Mining Giant Told It’s Not Welcome at Gold Industry Bash"

ロンドン貴金属市場協会は、ロシアのウクライナ侵攻を理由に、MMC Norilsk Nickel PJSCを年次貴金属会議から締め出しました。…LBMAの広報担当者は、「国際情勢を考慮し、ノリリスク・ニッケルの登録を受け入れることは不適切であると考え、遺憾ながら、LBMAはノリリスク・ニッケルの登録を承認しました」と述べている。…ノリリスク・ニッケルは、触媒コンバーターに多く使用されるパラジウムを世界の約40%生産しています。大株主はロシアの大富豪ウラジミール・ポタニン氏である。他の主要生産国は、南アフリカと米国である。
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