メーカー"側"は潤っている

なんだか、パッとしないですね。ここのところ、ずっと。相場は上がっているみたいですが、なんだかきな臭い感じは払拭できないです。なんだか、奥歯になにかが詰まったときのむず痒さというか、変な時間にコーヒーをがぶ飲みして、寝たいのに寝れなくなって、焦燥感に苛まれて、朝を迎え、そのあとの生産性ガタ落ちのときに感じる虚無感のようなものを感じざるを得ません。まあ、なにを言いたいのかわかりませんが。

年の瀬を迎えるにあたり、これからの非鉄金属スクラップ市場の行方を占ってみようと思い、先輩方や市場関係者にヒアリングを行いました。まず、とにかく間違いないことは、「誰も、この先どうなるのかわからない」ということです。特に、かつての北京オリンピック景気に伴う、資源バブルの恩恵を十二分に享受できた方々は、ものすごい不安に思っているようです。「寄らば大樹の陰」ではないですが、牽引役や模倣する対象が存在しない。なにをしたら良いのかわからない。こういった悩みとでも言いましょうか、ボンヤリした、まさに《虚無感》は、業態の規模、種類問わず、我々の業界全体に大きな大きな暗い影を落としているようです。

海外メディアからの情報によると、おおよその概要は下記の通りのようです。

<アルミ>

<銅>

もはや、相場がどうなるとか、トランプがどうのこうのとか、そういった話は関係ないのかもしれません。もう既に決まり切った大局をきちんと理解し、"オカミ"の要望に応える形で、決まった量、決まった品質のものを安定的に流通させる。それが、我々、非鉄スクラップの取引に携わる人間の使命として当然のものになるのでしょう。

今後も、相場自体は、継続してボラティリティの高い状況が続くでしょう。そして、これまで"ふつー"に売れていたものが、明日は売れなくなるかもしれない。つまり、在庫を抱えることがリスクでしかなくなり、いわゆる"コモディティ"としての「いつでも間違いなく売れるもの」以外を適正マージン以下で仕入れる意味がなくなる。

市中の皆さんは、もう、ものすごく肌感覚としてビシビシと感じていらっしゃると思いますが、「メーカー側は潤っている」ことは間違いないですね。純粋な"儲け"だけで物語ることはできないかと思いますが、端的に申せば、色んな意味で「やりやすくなった」ということだと思います。

例えば、これまで原料問屋と現場との狭間で右往左往されていたメーカーの調達マン、商社の方々。今となっては、「(いちおうは物腰柔らかく)いやあ、ホント申し訳ないんですが、お察しの通り、製品が売れませんでして…世界的にも同じ潮流でして…中国が…」といった風情の説明であっても、ある程度の理解は得られることでしょう。かつては、そこまでの信憑性のある説得材料は持ち合わせていなかったことと思います。どうしても、購買量の調整が必要となれば、「(どぎまぎしながら)いやあ、再来月後半から炉の定修が入ってまして…申し訳ないんですが…」的な説明しかできなかったことと思います。まさか、スクラップを他のところから買いすぎて、現場から「もう買ってくるなよ!あそこの原料、使いづれえんだよ!」などとドヤされての苦肉の策で絞り出したセリフだとは、死んでも問屋さんに言えないですよね。