日本は不寛容社会なのか、中国は結局のところ銅を欲しがっているのか

前回のポストを引きずりますが、ここ数日モヤモヤしていた感情を、前澤社長が端的に表現してくれました。

恐らく、実際にそうなんでしょう。氏が仰る「炎上や変人や普通じゃない人」とは、まさにアウトサイダーであり、社会の周縁で生きる人間たちのことです。モーリー・ロバートソンは、言いました。「個人個人の中で事実よりも“気持ちよさ”が勝ってしまうと、その『事実ではないもの』がいつの間にか既成事実化していく。こうした潮流は“ポスト・ファクトの時代”ともいわれ、アメリカのみならず欧州各国でも極右政党が躍進するためのエンジンとなっています」と。(参考:「モーリー・ロバートソンがトランプの勝因を分析 『一般市民がSNSでデマを検証もなしに拡散できるようになったから』」

かつて、当ブログにおいてISRIの会合の中で、元米国商務省長官が「トランプ政権は、世界経済に大きな"うねり"を造る。世界はリージョナリズムに向かう」と言及したことを報告しました。ワーディングは違えど、実際にトランプ政権は、いわゆる"業界"の掟を塗り替えているわけです。それは、彼の支持母体からの意向であり、「"業界"を動かす業界」の方々による指示であることは間違いないと思います。突然、トンデモ論者のような嘯き加減になってきましたが、これは純然たる"トゥルース"としての真実なのでしょう。トランプさんが塗りたくる"ファクト"としての真実とは相容れない、崇高な定量的な目標が存在するのだと思います。

毎度、枕が長くなってしまい、大変申し訳ございませんが、要は「産業の構造が大転換期にある」ということは間違いないということです。もっと言ってしまえば、社会自身のあり方、行く末も大きな変革の時代にあると言えます。言い換えると、これまでタワワに実る果実の美味しいところを牛耳っていた人間が、それを享受できなくなる可能性があるということではないでしょうか。いわゆる既得権益層とでも表現したらよいのでしょう。さらに言い換えると、社会の周縁で泥水を啜るような思いで、細々と生活をしてきた人間が、アイデア次第でとても大きな存在に躍進することも不可能ではないということではないでしょうか。

あいつに会うまで、俺は認めねえからな

実際に既に決まった路線でありながら、鼻息荒く「あいつに会うまで、俺は認めねえからな!」と、大国のリーダーが言ってしまえば、それもファクト。それを演じるのも、マーケットを揺らして儲けることもファクトなのであります。ドナルド・トランプさんなり、習近平さんは、つまるところ「デ・ファクトの演者」であって、台本を創っているのは別のところにあるようです。

ああだこうだと言いながら、中国は銅を欲しがっているとのことです。特に、高品位の半製品です。下記のデータを見ると、素人目線では「少し前まで高品位の鉱石を集めまくってたんだけど、やっぱコストとかいろんなこと考えると、今のタイミングは、『溶かしてポン』でいきたいんだよね」という思惑を感じざるを得ません。

  • 9月輸入 銅半製品 445,000MT(前月比 10%UP, 前年比 14.6%DOWN)
  • 9月輸入 銅精鉱、部分選鉱済みの鉱石類 1.815 million MT(前月比 12.9%DOWN)
  • 9月 アルミ輸出 前月比6.7%DOWN

"...implying a tighter market as a crackdown on scrap imports boosted demand for other forms of copper."

「スクラップ市場に大きなひずみが生まれたことで、それ以外のかたちをした銅の需要が逼迫することになっているようだ」と申されております。当然のことだと思います。